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その後、左足を足首から膝にかけて固定され、CTスキャンをとってさらに詳しく調べるため、救急車で隣町のサロンシュにある同じ系列の病院につれて行っていただきました。シャモニーの小さな病院では、レントゲン撮影はできるのですが、CTスキャンの施設はないのですね。

基本医者以外は英語を話せません。これまでフランス語を勉強してきて本当に良かったです。救急車のスタッフも、看護師の方も、病院の会計や受付の方も、英語は話せませんでした。フランスにきて、観光でスキーをするだけなら英語で十分ですが、骨折して病院でお世話になる場合は、フランス語必須です！！！

この後、夫に付き添ってもらい30分ほど救急車にのってサロンシュまで移動。痛みはないので、外の景色を楽しむ余裕はありました。
ちょうど、移動するときにヘリコプターが到着し、山で遭難したとおぼしき方が運ばれてきました。私のようにスキーで骨折した患者や、山で遭難した人が頻繁に運ばれてくるようですね。

サロンシュの病院まで連れてきてもらい、そこで救急車のスタッフとはお別れ。帰りは、自分たちでタクシーで戻ってねと言われ、さよならしました。

サロンシュの病院についたのはちょうど夕方の5時ごろだったでしょうか？それから2時間ほどまたされ、やっとCTスキャンをとっていただきました。

CTスキャンの所要時間はわずか5分。その後また結果を聞くのに2時間ほど待たされました。同じ病院内で、CTスキャンの分析はしないのですね。別の分析するところにデータを送り、それを待っていたようです。一緒に隣でまっていたフランス人のおじさんも長時間またされ、暇をしていたので、少しお話しました。そのおじさんは、自宅のカーペットに躓いて、手にもっていた瓶であたまを打ったそうです。頭のCTスキャンをとりにこられたと話していました。

「日本はコロナウイルスが大変だとTVで報道されているが大丈夫か？」と聞かれたので、「日本に停泊している旅客船の中で感染が広まっているが、日本国内はそれほどでもない」といった返事をしました。そうしたら、「あー、ディアモンド・プランセスだね」という返事がもどってきて、ダイアモンド・プリンセス号のニュースがフランスでも毎日報道されていたようで、こんな田舎町のおじさんまでよくご存じでした。

その数週間後、日本以上にフランスがコロナで大変になるとは、その時点で全く想像できませんでしたが、そのおじさんは「オリンピックは大丈夫か？開催できるのか？」など、いろいろと心配してくれました。「多分大丈夫、日本には夏の前に雨の季節があるので、ウイルスは湿気に弱いだろうから開催できると思うよ」と返事をしたものの、帰国後残念ながら、オリンピックは1年延期となったわけです。

そのおじさんと会話をしているところに、担当の先生（イケメン）がきて、「骨折してますよ。手術が必要なんだけ、ここでやりますか？」と聞かれたので「できれば手術は日本でやりたい」と答えました。「その足じゃ飛行機に乗ってかえれないでしょう」と先生。骨折などでギブスで足を固定していると血栓ができやすくなり、早く手術をしないと危険なのだそうです。しかし、日本でやりたいという意向を聞いてくださり、血栓ができにくくなる薬を処方してくださいました。Arixtraという抗凝固薬です。日本に帰って手術をするのであれば、日本の病院に行く日まで毎日1日1回、この注射器で薬を注射してくださいと指示されました。

おなかに自分で注射するわけですが、消毒の仕方、毎日左、右と注射をうつ場所を変えることなど、看護師の方から指導を受けました。自分で自分に注射するのは、これが生まれて初めてでした。こういった説明もすべてフランス語です。本当にフランス語の勉強をしていて良かったです。看護師の方は、この比較的大きな病院でも英語が話せませんでした。

この病院で、痛み止め、松葉付けの処方箋をもらい、明日、シャモニーの街の薬局で、薬と松葉づえを買うよう指示をされました。また、CTスキャンの画像の入ったCDロムと診断書をももらい、日本に帰ったら病院で医者に見せるよう渡されました。

先生のご配慮、ありがたや！

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